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けんさアラカルト
インフルエンザと高ALP血症
著者: 前川真人1
所属機関: 1浜松医科大学臨床検査医学講座
ページ範囲:P.1226 - P.1226
文献購入ページに移動インフルエンザで,特に肝機能障害などは高齢者においても病理学的に示されていないようであるが,重度の肝疾患患者がインフルエンザに罹患したとき,肝機能が悪化し,非代償性となったという報告が見られる1).腹水,肝性脳症,末梢性浮腫,急性の肝細胞障害をきたしたと記載されている.すなわち,肝機能障害を有する患者がインフルエンザに罹患すると,高ALP血症を呈することは十分考えられる.また,動物実験による結果であるが,インフルエンザ感染をネズミに起こさせたときに脂質過酸化物の増加が見られ,酸化ストレスの亢進が認められたという報告がある2).これは,ビタミンE投与によって量依存的に抑制されている.インフルエンザによる肝機能悪化の原因の1つとして考えられるかもしれない.
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