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Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる
子宮頸部(3) 炎症と細胞診
著者: 都竹正文1 手島英雄2
所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2癌研究会附属病院婦人科
ページ範囲:P.1252 - P.1253
文献購入ページに移動慢性頸管炎では表層上皮に真性ビランや偽ビラン,化生などの変化が生ずる.粘膜固有層にはリンパ球,形質細胞,単球,好中球の浸潤が見られる.通常,萎縮性腟炎の慢性化に起因して起こることが多い.細胞像は傍基底細胞主体の萎縮像を呈し,多数の成熟リンパ球と少数の類大型リンパ球,形質細胞および核の破砕物(cell debris)を貧食した組織球が散見される.これらの炎症細胞は標本中の数か所に集簇して見られる(図1-a).悪性リンパ腫との鑑別は,出現しているリンパ球の主体が成熟型であり,その他の炎症細胞の混在が見られるなど単一性に欠ける.特に核の破砕物を貧食した組織球(tingible body macrophages,矢印)の存在(図1-b)は悪性リンパ腫を否定するポイントとなる.
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