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文献概要
現代の医学・医療は,化学の著しい進歩に合わせ日進月進している.その内容はますます高度化し,“今日の研究は明日の実用化へ”といわれるように,その発展には目を見張るばかりである.
そもそも病理学の中で,光学顕微鏡や電子顕微鏡による病理組織診断に優る診断法は,癌診断という面に限ってみれは他にないであろう.しかしながら,従来の形態観察のみでは補うことのできなかった分野の研究が,分子生物学的研究で明らかにされた.その歴史はまだまだ浅く,1970年代後半からの蛍光抗体法の発案に始まって,免疫組織化学の研究・開発がどんどん進められ,フェリチン抗体法,酵素抗体法が相次いで開発された.そして分子生物学,遺伝子工学のめざましい発展に伴い,近年ではin situ hybridization(ISH),さらにin situ PCR法によって癌関連遺伝子や染色体異常の証明など基礎的研究の成果が臨床に応用されるようになった.これらの検索は組織発生,分化,発癌過程,悪性度など通常の組織学的検索と異なった方向からの情報を提供するものであり,この分野の進歩は今後疾病の基礎研究のみならず,悪性度診断,鑑別診断や治療にも大きな影響をもたらすものである.
そもそも病理学の中で,光学顕微鏡や電子顕微鏡による病理組織診断に優る診断法は,癌診断という面に限ってみれは他にないであろう.しかしながら,従来の形態観察のみでは補うことのできなかった分野の研究が,分子生物学的研究で明らかにされた.その歴史はまだまだ浅く,1970年代後半からの蛍光抗体法の発案に始まって,免疫組織化学の研究・開発がどんどん進められ,フェリチン抗体法,酵素抗体法が相次いで開発された.そして分子生物学,遺伝子工学のめざましい発展に伴い,近年ではin situ hybridization(ISH),さらにin situ PCR法によって癌関連遺伝子や染色体異常の証明など基礎的研究の成果が臨床に応用されるようになった.これらの検索は組織発生,分化,発癌過程,悪性度など通常の組織学的検索と異なった方向からの情報を提供するものであり,この分野の進歩は今後疾病の基礎研究のみならず,悪性度診断,鑑別診断や治療にも大きな影響をもたらすものである.
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