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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻12号

2000年11月発行

文献概要

検査データを考える

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

著者: 桑原正雄1 藤上良寛2

所属機関: 1県立広島病院総合診療科/呼吸器内科 2県立広島病院臨床研究検査科細菌室

ページ範囲:P.1435 - P.1440

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はじめに
 肺炎球菌は呼吸器領域や耳鼻科領域感染症の重要な病原菌であり,急性気管支炎,急性肺炎,慢性気道感染症の急性増悪,中耳炎,副鼻腔炎などを引き起こすことで知られている.また,小児科領域では化膿性髄膜炎の起炎菌としても重要で,インフルエンザ菌とともに高頻度に見られる.
 肺炎球菌は以前からβ-ラクタム剤に高い感受性を示し,耐性化しにくい菌であった.ところが,本菌に対して最も有効とされたペニシリンG(PCG)に対する耐性化が1970年頃から海外で報告され始めた.南アフリカ,スペイン,ハンガリーなどでは早期から耐性株が高頻度に分離され,大きな問題となっていた1).わが国においては,ペニシリン耐性肺炎球菌の出現は1980年代初め頃とされているが,本耐性菌による感染症例の報告は1988年の化膿性髄膜炎が最初であった.最近では明らかに増加しており,臨床的に遷延したり,反復する肺炎球菌感染症では耐性菌を強く疑い,検査を進めることが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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