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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻12号

2000年11月発行

文献概要

トピックス

MRSA陽性患者の取り扱いかた

著者: 奥住捷子1 米山彰子1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1478 - P.1480

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はじめに
 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococcus;VRE),緑膿菌などの多剤耐性菌は,健康な人に付着してもほとんどの場合病原性を示さない.しかし,易感染患者が感染すると有効な薬剤が少ないので注意が必要であるといわれている.MRSAが検出される症例は,①MRSAを検出し本菌による感染症を発症している患者(いわゆるMRSA感染患者),②MRSAがいずれかの部位から検出されるが感染症を発症していないMRSA排菌患者(いわゆるMRSA保菌患者),そして③MRSAの保菌職員に分類される.
 MRSAの感染経路は一般的に接触感染である.患者の検査材料から検出されるのは呼吸器系検体,特に喀痰からが多く,医療従事者の保菌部位は鼻腔や咽頭に多く,手あれなど皮膚に炎症のない場合に一過性の付着として手指にも見られる.そのため,感染防止の基本は,手洗いが肝要とされており,感染の媒介者とならないよう手洗いや手掌の消毒などが推奨されている.感染防止は,多くのヒトが正しい認識を持って対処していても,たった1人の不注意で感染が拡大し破綻することがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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