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技術講座 生化学
ミトコンドリアCKの測定法
著者: 星野忠1
所属機関: 1日本大学医学部臨床病理学教室
ページ範囲:P.1499 - P.1504
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クレアチンキナーゼ(CK)には,MM,MB,BBの3つのアイソザイムのほかに,ミトコンドリア内膜に結合しているミトコンドリアCK(mCK)がある.また,mCKにはsarcomeric mCK(smCK)とubiquitous mCK(umCK)の2つのアイソフォームが存在する.従来から,mCKは悪性腫瘍との関連で臨床的に注目されていた.しかし,近年,電気泳動法の測定条件を改良した高感度CKアイソザイム測定法を用いることで,mCKが健常人の血中にも微量ではあるが普遍的に存在することが報告され,生体内で恒常的に行われている細胞の新生,壊死といった新陳代謝を反映しているものと解釈されている.現在,微量のmCKを検出することが可能となったことから,各種疾患とmCKとの関連について研究を進める中で,今後,新たな臨床的意義が見いだされる可能性があり,注目したい.
クレアチンキナーゼ(CK)には,MM,MB,BBの3つのアイソザイムのほかに,ミトコンドリア内膜に結合しているミトコンドリアCK(mCK)がある.また,mCKにはsarcomeric mCK(smCK)とubiquitous mCK(umCK)の2つのアイソフォームが存在する.従来から,mCKは悪性腫瘍との関連で臨床的に注目されていた.しかし,近年,電気泳動法の測定条件を改良した高感度CKアイソザイム測定法を用いることで,mCKが健常人の血中にも微量ではあるが普遍的に存在することが報告され,生体内で恒常的に行われている細胞の新生,壊死といった新陳代謝を反映しているものと解釈されている.現在,微量のmCKを検出することが可能となったことから,各種疾患とmCKとの関連について研究を進める中で,今後,新たな臨床的意義が見いだされる可能性があり,注目したい.
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