icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻13号

2000年12月発行

文献概要

検査データを考える

喀痰から検出されたMRSA

著者: 渡辺彰1

所属機関: 1東北大学加齢医学研究所呼吸器腫瘍研究分野

ページ範囲:P.1537 - P.1541

文献購入ページに移動
はじめに
 methicillin(dimethoxyphenyl penicillin;DMPPC)耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Stapylococcus aureus;MRSA)が検出されると,臨床現場が混乱することがある.検体採取手技に問題がなければ,無菌部位(血液や髄液など)からの検出菌は起炎菌と判断できるが,汚染部位やMRSAが常在菌として存在し得る部位からの検出では,それが起炎菌なのか否かの判断が難しく,治療方針がまったく変わるからである.喀淡から検出された場合に特に問題が大きい.
 本稿では,自験例の解析から,Colonization(=定着)にとどまって起炎性のないMRSAが多く,抗菌薬投与が不要な例の多いこと,およびその鑑別点(=診断基準)を述べる.なお,以下は呼吸器内科で日常臨床に携わる者の考えかたであり,その点をご勘案いただきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?