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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻13号

2000年12月発行

文献概要

トピックス

ヘパリン起因性血小板減少症と抗体の検出

著者: 松尾美也子1

所属機関: 1兵庫県立淡路病院検査部

ページ範囲:P.1566 - P.1571

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■ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)とは
 ヘパリンの副作用として出血に次いで屯要なのが本症である.欧米ではheparin-induced thrombocytopeniaの頭文字をとってHITと略されている.ヘパリンに起因する血小板減少症は2型に分類されている(表1).
 I型は非免疫的機序による血小板減少で,自然に回復するため,臨床上問題となることはほとんどない.II型のHITは,ヘパリン依存性抗体による免疫的機序による血小板減少で,血栓が合併するのが特徴である.I型HITがあれば,II型HITに罹患しやすいといったことはない.薬物に起因する血小板減少が発生すれば,出血すると考えるのが常識であるが,HITの場合は血栓で出血はほとんどない.HITによる血栓は,心,脳,四肢,肺などに発生する多様な動静脈血栓と微小循環系に発生するとDIC(Disseminated intravascular coagulation)の症状を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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