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PIVKA-IIの高感度測定法
著者: 澤部祐司1 大澤進1
所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.137 - P.141
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血液凝固第II因子(プロトロンビン)は,第VII,IX,およびX因子とともにビタミンK依存性の血液凝固因子で,肝細胞で合成されている.しかし,ビタミンKの欠乏状態,ビタミンK拮抗阻害剤(ワーファリンなど)の投与時,そして肝実質細胞傷害などの際には,プロトロンビン前駆体の10個前後のグルタミン酸残基がγ-カルボキシグルタミン酸に転換されず,凝固能を持たない異常プロトロンビンが産生される.これがPIVKA-II(protein induced by vitamin K absenceor antagonist II)である.
PIVKA-IIは従来,新生児出血症やビタミンK欠乏時の凝固障害を知る指標として測定されてきた.しかし,1984年にLiebmanら1)は肝細胞癌患者血漿中に高率にPIVKA-IIを検出し,肝細胞癌のマーカーとして有用であることを示した.わが国でも,本原ら2)がモノクローナル抗体を作製して,PIVKA-IIを特異的に検出する測定法を開発する一方,藤山ら3),Okudaら4)が腫瘍マーカーとしての臨床的意義を明らかにした.
血液凝固第II因子(プロトロンビン)は,第VII,IX,およびX因子とともにビタミンK依存性の血液凝固因子で,肝細胞で合成されている.しかし,ビタミンKの欠乏状態,ビタミンK拮抗阻害剤(ワーファリンなど)の投与時,そして肝実質細胞傷害などの際には,プロトロンビン前駆体の10個前後のグルタミン酸残基がγ-カルボキシグルタミン酸に転換されず,凝固能を持たない異常プロトロンビンが産生される.これがPIVKA-II(protein induced by vitamin K absenceor antagonist II)である.
PIVKA-IIは従来,新生児出血症やビタミンK欠乏時の凝固障害を知る指標として測定されてきた.しかし,1984年にLiebmanら1)は肝細胞癌患者血漿中に高率にPIVKA-IIを検出し,肝細胞癌のマーカーとして有用であることを示した.わが国でも,本原ら2)がモノクローナル抗体を作製して,PIVKA-IIを特異的に検出する測定法を開発する一方,藤山ら3),Okudaら4)が腫瘍マーカーとしての臨床的意義を明らかにした.
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