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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻3号

2000年03月発行

文献概要

トピックス

HHV-8とカポジ肉腫

著者: 奥野寿臣1

所属機関: 1兵庫医科大学細菌学教室

ページ範囲:P.308 - P.310

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はじめに
 カポジ肉腫(Kaposi's sarcoma;KS)はエイズ患者の15〜20%に発生する腫瘍で,感染性因子によって引き起こされることが指摘されていた.1994年,ChangらはPCR(polymerase chain reaction)を応用したrepresentational difference analysis法によってその因子のDNAを見つけた.すなわち,エイズ患者のKSの病変部位から抽出した全DNAを正常皮膚から抽出した過剰な量のDNAで差し引いて,KSに特異的に存在するDNA断片のみをPCRで増幅することによって2種類のDNA断片を得た1).その塩基配列は,ヘルペスウイルスサイミリ(herpesvirussaimili;HVS)やエプスタイン・バーウイルス(Epstein-Barr virus;EBV)のカプシド蛋白とテグメント蛋白のそれと高い相同性があった.当初,カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(Kaposi's sarcoma-associated herpesvirus;KSHV)と呼ばれていたが,KS以外の病変でそのウイルス粒子が見つかって,8番目のヒトヘルペスウイルスということからHHV-8(human herpesvirus-8)と名づけられた.
 表1にこれまでに見つかっているヒトヘルペスウイルスを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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