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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻4号

2000年04月発行

文献概要

技術講座 生理

頸動脈超音波断層検査法

著者: 加藤健1 水野兼志2

所属機関: 1福島県立医科大学医学部内科学第3講座 2福島県立医科大学看護学部生態機能学講座

ページ範囲:P.327 - P.330

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新しい知見
 頸動脈Bモードエコー法は脳血管疾患の病型診断,治療法の選択,ならびに予後の推定に用いられており,脳における血管障害の指標として有用である.このうち,内膜中膜複合体厚(intima-media complex thickness;IMT)は最近の研究では高脂血症,冠動脈疾患の重症度との関連も報告され,全身の動脈硬化の進展度を把握するうえで重要である.また2型糖尿症でも有意に肥厚し,その年齢より20歳以上の健常者と同程度と報告されるばかりでなく,糖尿病より軽症の糖負荷試験境界型であっても,高インスリン血症を有する者ではIMTがすでに糖尿病患者と同程度の肥厚を有することが明らかにされており,高血糖以外の動脈硬化危険因子の存在が指摘されている.
 このように,この数年の間に頸動脈Bモードエコー法を用いた臨床研究の結果,次々に新知見が報告され,IMTの測定は動脈硬化の発症,進展原因を疫学的側面から解明するうえで極めて信頼性が高いことが再認識されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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