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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻5号

2000年05月発行

文献概要

病気のはなし

潰瘍性大腸炎

著者: 朝倉均1

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科

ページ範囲:P.422 - P.427

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新しい知見
 潰瘍性大腸炎の原因は不明であるが,マウスのリンパ球やマクロファージに運伝子工学的に異常を起こすと,CD4というリンパ球やマクロファージが活性化されて,最終的にサイトカインのインターフェロン(IFN)γや腫瘍壊死因子(TNF)αの産生が亢進し,腸内細菌の存在のもとに大腸炎が引き起こされる.ヒトでも本症患者の末梢血よりリンパ球やマクロファージのもとになる単球を除去(白血球除去療法)すると,大腸炎は軽快する.最近,ざまざまな疾患の患者は,ある素因,換言すると疾患感受性遺伝子を保有していることが明らかになり,本症ではその遺伝子が染色体3,6,7,12,16にあるのではないかといわれている.日本人では第6染色体短腕のHLA上のDR2近傍にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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