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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻7号

2000年06月発行

文献概要

増刊号 血液検査実践マニュアル Part 1 総論 1.血液学の基礎知識

3)凝固・線溶因子とその調節機構 c)凝固阻止因子

著者: 鈴木宏治1

所属機関: 1三重大学医学部分子病態学教室

ページ範囲:P.656 - P.659

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はじめに
 正常時,循環血液の流動性は維持され,また血液凝固反応は傷害部位に限局化される.この理由は,傷害部位以外での凝固反応は血管内壁上で機能する凝固阻止因子によって制御されることによる.凝固阻止因子はその作用機構からプロテアーゼインヒビターとプロテアーゼに大別される.前者にはアンチトロンビンIII(antithrombin;ATIII)をはじめとするセリンプロテアーゼインヒビター(serine protease inhibitor;SERPIN)によるトロンビン,Xa因子,IXa因子などの阻害反応と,クニッツ(Kunitz)型インヒビターの組織因子(tissue factor;TF)経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor;TFPI)による外因系凝固の阻害反応がある.他方,後者にはプロテアーゼの活性化プロテインC(activated protein C;APC)とその関連因子による凝固補酵素蛋白(Va因子とVIIIa因子)の分解に基づくプロテインC凝固制御系がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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