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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻7号

2000年06月発行

文献概要

増刊号 血液検査実践マニュアル Part 2 血球計数検査 2.赤血球沈降速度

1)目的と臨床的意義,検査の実際

著者: 新井盛夫1

所属機関: 1東京医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.722 - P.723

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検査の目的と臨床的意義
 赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate;ESR)は通常,赤沈と呼ばれ,血漿中の赤血球が重力で沈降する速度を測る臨床検査である.赤沈は臨床検査の中でも最も古いものの1つであるが,その測定手技が簡便で測定器具も安価であることから,現在でも検査室や外来などで汎用されている.
 赤沈は,血液中での赤血球と血漿成分の物理的な相互反応が,多くの要素の下で働く非特異的現象である.すなわち,測定温度,抗凝固剤の濃度や混合比,沈降管の口径,傾き,検体のヘマトクリット値,血漿蛋白濃度などの条件により,赤血球の沈降速度は影響を受ける.これらの要素を念頭に置いて,赤沈値から病態把握の補助診断としての情報を得ることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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