icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻7号

2000年06月発行

文献概要

増刊号 血液検査実践マニュアル Part 3 血球形態検査 1.末梢血検査

5)判定基準

著者: 丹羽欣正1

所属機関: 1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.751 - P.758

文献購入ページに移動
はじめに
 末梢血液塗抹標本を観察することは,血液の中を直接のぞき見ることであり,血液細胞の状態が正常であるか否かを,自分の目で直接判定する手段である.すなわち,検査を行う者の目および頭の中の判定基準が,そのまま検査成績に反映する検査方法であり,適切な判定基準のもとにトレーニングを積んだうえで挑まなければならない検査手段であるといえる.
 最近では自動血球分析装置の機能向上により,各種血球の数値的諸情報および正常白血球の分類に関しては,機械まかせでもほぼ信頼できる成績が得られるようになった.しかしながら,ここで重要な問題となってくるのは,何が異常で,何が正常かの適切な判別能力が,分析装置を扱う者には必要であるということである.つまり,いかに自動血球分析装置の高機能化がなされても,各血球を的確な判定基準をもって行う顕微鏡観察技術の習熟が,血液検査に携わる者には必須事項であることには変わりはない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?