文献詳細
増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 3 血球形態検査 3.FAB分類
文献概要
疾患概念
MDSは造血幹細胞の異常に起因する疾患で,無効造血による血球減少と血球の異形成を特徴とする,種々の疾患の集まりと考えられている.
以前から,末梢血では汎血球減少があるにもかかわらず,骨髄の細胞密度は正〜過形成を示し,数か月から数年の経過で高率に急性白血病に移行する疾患があることが知られていた.このような疾患群はhemopoietic dysplasia,dysmyelopoietic syndromeなどと呼ばれ,血球細胞に種々の形態学的変化が認められることが特徴の1つであった.1982年にFABグループはこれらの疾患をMDSとしてまとめ,5病型に分類して客観的な診断基準を提唱した1)(表1).MDSの名が広く流布したのは,このFAB分類があったからにほかならない.
MDSは造血幹細胞の異常に起因する疾患で,無効造血による血球減少と血球の異形成を特徴とする,種々の疾患の集まりと考えられている.
以前から,末梢血では汎血球減少があるにもかかわらず,骨髄の細胞密度は正〜過形成を示し,数か月から数年の経過で高率に急性白血病に移行する疾患があることが知られていた.このような疾患群はhemopoietic dysplasia,dysmyelopoietic syndromeなどと呼ばれ,血球細胞に種々の形態学的変化が認められることが特徴の1つであった.1982年にFABグループはこれらの疾患をMDSとしてまとめ,5病型に分類して客観的な診断基準を提唱した1)(表1).MDSの名が広く流布したのは,このFAB分類があったからにほかならない.
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