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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻7号

2000年06月発行

文献概要

増刊号 血液検査実践マニュアル Part 4 溶血検査 3.検査の実際

2)PNHに関する検査

著者: 臼杵憲祐1 長野美恵子1 浦部晶夫1

所属機関: 1NTT東日本関東病院血液内科

ページ範囲:P.813 - P.815

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はじめに
 発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria;PNH)は赤血球膜の補体感受性の亢進を特徴とする後天性溶血性貧血である.PNHではglycosyl-phosphatidyl-inositol(GPI)アンカー蛋白の生合成障害があり,GPIアンカー蛋白であるCD55やCD59が赤血球膜上で欠損している.CD55は補体C3/C5転換酵素の崩壊促進因子(decay-accelerating factor)であり,CD59は補体の膜侵襲複合体形成を制御する分子である.これらの補体制御蛋白質の赤血球膜上での欠損によって補体感受性が亢進していると考えられている.なお,最近,GPIアンカー蛋白の生合成障害の原因としてPIG-A遺伝子の異常が明らかになった.
 PNHの診断にはSugar Water試験やHam試験が用いられるが,いずれもPNH赤血球の補体感受性の亢進を検出する検査である.Sugar Water試験は補体のclassical pathwayの活性化による溶血を,Ham試験は補体のalternative pathwayの活性化による溶血を利用したものである.Sugar Water試験は鋭敏であるためPNHのスクリーニングに用いられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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