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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻7号

2000年06月発行

文献概要

増刊号 血液検査実践マニュアル Part 4 溶血検査

4.データの読みかたとコメントの付けかた

著者: 杉原尚1

所属機関: 1川崎医科大学血液内科

ページ範囲:P.822 - P.824

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はじめに
 溶血性貧血(hemolytic anemia)とは,なんらかの原因によって赤血球の崩壊が亢進した状態の総称であり,多くの疾患を包括する一種の症候群である.赤血球崩壊が亢進し,約120日ある赤血球寿命が短縮してくると,骨髄はその産生能力を高め,通常よりも多くの赤血球を産生する.赤血球の崩壊を骨髄造血が代償できる範囲内であると貧血は見られない(代償された溶血).しかし,赤血球崩壊が著しく亢進して,これに対する産生能が追いつかない場合(非代償性溶血)に初めて貧血を生ずることになる.したがって,実際には貧血を呈さない症例も多くあり,溶血性疾患と呼ぶのが妥当と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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