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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻7号

2000年06月発行

文献概要

増刊号 血液検査実践マニュアル Part 5 凝固・線溶検査 4.ルーチン検査

1)検査の実際 f)FDP

著者: 末久悦次1

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.851 - P.854

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検査の目的・意義
 生体内での線溶現象は,フィブリンの形成(血栓)を認めない線溶現象(一次線溶)と,形成された血栓を溶解する線溶現象(二次線溶)とに区別され,線溶亢進時には,フィブリノゲンもしくはフィブリンが産生されたプラスミンにより分解を受け,分解産物として血液中に存在することになる(図1).したがって,FDPとは,フィブリノゲンとフィブリンの分解産物の総称であり,血液中のFDPを検出することは,生体内での線溶亢進を意味していることになる.
 また,FDPの生成は,産生されたプラスミンにより,フィブリノゲンのAα鎖およびBβ鎖の一部が切断されX分画となり,さらにY分画とD分画に切断され最終的にE分画とD分画に分解され,一次線溶のFDP(FgDP)として産生される.一方,二次線溶では,まず凝固系活性化に伴うトロンビンの生成により,フィブリノゲンからフィブリンポリマー,さらに安定化フィブリンに転化した後,プラスミンにより分解を受けることになり,互いに異なる分子から形成されるDドメイン2分子とEドメイン1分子を最小単位とするさまざまな(D2E)nが産生されることになる(図2).したがって,FDPは単一な蛋白ではなく,フィブリノゲン由来のFgDPとフィブリン由来のFDP(Dダイマー)との種々の構成により存在していると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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