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けんさアラカルト
イオン化マグネシウムの測定法
著者: 白石正孝1 横田邦信2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部 2東京慈恵会医科大学内科学講座
ページ範囲:P.1130 - P.1130
文献購入ページに移動マグネシウムは,天然のカルシウム拮抗薬と称されるほどカルシウムと並んで生体にとって極めて大切なミネラルの1つです.細胞内では300種以上に及ぶ酵素反応にも重要な役割を担っています.しかし,これまであまり関心が向けられなかった背景には,生理活性を有するイオン化マグネシウムの測定が困難であったことがあります.
ところでISE法(イオン選択電極法)によるイオン化マグネシウムの研究に関する国際シンポジウムが1993年3月に開催され,また,同年米国NOVA社が開発したイオン化マグネシウムセンサーの詳細な分析特性が雑誌Scandinavian Journal of Chemistryに掲載されて以来,さまざまな病態におけるイオン化マグネシウムの臨床的研究が急速に行われ始めました.私たちは,このイオン化マグネシウムに着目し,血清検体を対象にNOVA社製CRT 8を用い,本装置の測定精度を中心に基礎的検討をしました.金属イオンをそのまま測れる驚きと同時に,イオン化マグネシウムそのものが条件により著しく変動するため,測定条件を満たす難しさに苦慮しました.ここで述べる経験談が臨床検査技師の方々の興味を少しでもそそり,またマグネシウムの重要性を再認識していただければ幸いです.
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