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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻9号

2000年08月発行

文献概要

トピックス

臍帯血バンク

著者: 岡本真一郎1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部血液内科

ページ範囲:P.1185 - P.1188

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はじめに
 造血幹細胞移植は種々の致死的血液疾患の根治療法として現在盛んに施行されている.そして,造血幹細胞源として広く用いられてきたのが骨髄である.わが国ではHLA型が適合した骨髄ドナーを血縁者間に見いだせる確率は30%と高くはないが,1991年に設立された日本骨髄バンク(JMDP)を介して,血縁者間にドナーの見いだせない患者の約80%にHLA型適合非血縁者ドナーが得られている.JMDPには2000年6月までに約130,000人のドナーが登録され,2,722件の移植が完了している.
 造血幹細胞移植の領域で注目されているのは造血幹細胞源の多様化である.近年,骨髄に代わる新しい造血幹細胞源として胎盤/臍帯血が注目されている.臍帯血はこれまでは医療廃棄物として処理されていたが,その中には幼若造血幹細胞がより多く含まれていることが明らかとなり,胎盤/臍帯血を用いた造血幹細胞移植が広く施行されるようになりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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