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文献詳細

雑誌文献

検査と技術28巻9号

2000年08月発行

文献概要

トピックス

ビタミンKの抗癌作用

著者: 宮川隆之1 白幡聡1

所属機関: 1産業医科大学小児科

ページ範囲:P.1188 - P.1190

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はじめに
 ビタミンKは,ビタミンK依存性蛋白合成の最終段階で,それらの蛋白前駆体が有する特定のグルタミン酸残基のγ位をカルボキシル化して,γ-カルボキシグルタミン酸に変換する酵素(γ-グルタミルカルボキシラーゼ)の補酵素で,1929年,Henrik Damにより発見されて以来,長い間止血に必要な微量栄養素と考えられてきた.しかし,1980年代に入って,人工的に合成されたビタミンK同族体であるビタミンK3に細胞増殖阻害作用や細胞死(アポトーシス)の誘導作用があることが報告され,一時期他の治療法と組み合わせて臨床応用も試みられたが,本格的な治験には至らなかった.一方,最近になりビタミンK2にも細胞増殖阻害作用や分化誘導作用があることが明らかにされ,抗癌剤としてのビタミンKが改めて注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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