icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻1号

2001年01月発行

絵で見る免疫学 基礎編・13

細胞の生と死・4

死のプログラム(その2)—アポトーシス機能の異常

著者: 高木淳1 玉井一2 隈寛二2

所属機関: 1ダイナボット(株)器機診断薬事業部 2隈病院

ページ範囲:P.42 - P.43

文献概要

死のレセプターと死のリガンド
 細胞にはあらかじめ死のプログラム,すなわちアポトーシスの機構が設定されており,多くの細胞は,このプログラムが実行されて死に至る.このアポトーシスの過程は,細胞の種類,生物の種類,誘発の要因によらず同じ過程をたどる.その過程とは,アポトーシス誘導である死のシグナルの受容,細胞内へのシグナル伝達,すなわちDNase(DNA分解酵素)を活性化する一連のカスパーゼの活性化であり,そして最後に核の断裂化である.アポトーシス誘導のシグナル受容は,細胞表面上に発現されているFas(CD 95とも呼ばれる)によって細胞内に伝達される.Fasに死のシグナルを伝達するのは,死を宣告するFasリガンド(FasL)である.
 例として,CTLについて述べる(図1).まず,CTL表面上のTCRが,感染細胞表面のMHC I抗原を認識する.CTLは,細胞が外来抗原により感染されていることを認識すると,TCRからFasLに死のシグナルの伝達を指令する.FasLは,感染細胞表面に発現されているFasから死のシグナルを伝達する.また,もう1つのパスウェイがあり,CTLが感染細胞のMHC I抗原を認識すると,CTLは感染細胞にパーフォリンをふりかけて感染細胞に孔をあけ,そこからグランザイムを注ぎ込んでアポトーシスを誘導する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら