icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻1号

2001年01月発行

文献概要

Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる

子宮頸部(5) 子宮頸部異形成—上皮内癌の細胞診

著者: 都竹正文1 手島英雄2

所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2癌研究会附属病院婦人科

ページ範囲:P.46 - P.47

文献購入ページに移動
はじめに
 子宮頸部の異形成(dysplasia)は炎症性とも腫瘍性とも,また良性とも悪性とも判断しかねる扁平上皮の異型病変を呼び,境界病変として位置づけられている.異形成は病理組織学的に上皮の各層において細胞成熟過程の乱れと核の異常を示す病変である.すなわち,極性の消失,多形性,核クロマチンの粗大顆粒状化,核形不整,異常分裂を含む核分裂像が見られるのを特徴とする.異形成はその程度により軽度(mild=slight),中等度(moderate),高度(severe)に分けられる.
 子宮頸癌取扱い規約(1997年10月,改定第2版)では異形成(dysplasia)-上皮内癌(carcinomain situ)は子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia;CIN)として取り扱われており,軽度異形成(mild dysplasia;CIN 1),中等度異形成(moderate dysplasia;CIN 2),高度異形成(severe dysplasia;CIN 3),上皮内癌(carcinoma in situ;CIN 3)に分類されている.本規約ではHPV感染による細胞異型であるコイロサイトーシス(koilocytosis,koilocytotic atypia)は軽度異形成に含まれる.高度異形成と上皮内癌はCIN分類ではCIN 3として包括されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら