文献詳細
トピックス
循環器疾患とマグネシウム
著者: 佐々木正太1 寺川宏樹1 松浦秀夫1 茶山一彰1 大島哲也2 神辺眞之2
所属機関: 1広島大学医学部第1内科 2広島大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.65 - P.69
文献概要
マグネシウム(Mg)は,生体内でカルシウム(Ca),カリウム(K)およびナトリウム(Na)に次いで豊富に存在する陽イオンであり,細胞内ではKに次いで多い.その生理活性は多岐にわたり,細胞内各種リン酸化反応の補酵素として働き,細胞膜透過性維持にも関与することが知られている.したがって,Mg代謝の異常は細胞機能や生体機能の調節に障害をもたらすこととなる.近年,虚血性心疾患,不整脈,本態性高血圧症,糖尿病などの循環器疾患,もしくはその危険因子となる病態においてMg欠乏の関与が想定されている.しかしながら,体内Mgバランスの臨床的な指標はなく,その判定は困難である.臨床上は簡便に血清総Mgが測定されるが,実際の生理活性を持つ血清イオン化Mgについての報告は少ない.また,体内Mgの99%以上は細胞内に分布している.
掲載誌情報