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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻1号

2001年01月発行

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トピックス

緑茶の抗腫瘍効果

著者: 松島正浩1

所属機関: 1東邦大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.70 - P.73

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はじめに
 日本人の泌尿生殖器癌(膀胱癌,前立腺癌)の発生率,死亡率は欧米諸国のそれと比較して,1960年代頃までは大変低く,1/10以下であった.ただし,欧米諸国へ移民した日本人に対する疫学的調査によると,移民l世では日本人のそれと同じであるが,2世,3世と世代が変わると,しだいにそれは欧米人の頻度と同様になる1).日本に住む日本人もこの30年間で泌尿生殖器癌の発生率,死亡率は急増し,欧米化の一途を辿っている.これらの現象は発癌の危険因子から分析してみると,日本人の食生活に起因していると考えられる.すなわち,移民2世,3世はその食生活が急速に欧米化し,動物性蛋白質,脂肪の摂取が多くなる.わが国においても,戦後の食生活は欧米化の一途を辿り,和食の良さを忘れてしまった.すべての発癌に共通していることであるが,日本人の食生活の欧米化により日本人の発癌も欧米化しつつあるのが現状である.喫茶の習慣は長い歴史があり,多くの薬効が報告されている.さらに最近では,茶の抗腫瘍効果が報告されるようになった2〜6)
 本稿ではN-butyl-N-(hydroxybutyl)nitrosamine(BBN)によるラット膀胱発癌に対する緑茶の抗腫瘍効果を検討し,さらに抹茶,ほうじ茶,ウーロン茶,紅茶についてもその効果を検討し,茶葉全体の抗腫瘍効果について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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