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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻1号

2001年01月発行

検査データを考える

抗凝固療法中の患者の検査値の動き

著者: 腰原公人1 新井盛夫1

所属機関: 1東京医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.75 - P.79

文献概要

はじめに
 血管内において血液は常に流動性を保持しているが,血管内皮細胞が損傷を受けると,同部位に限局して止血血栓が形成される.そして,損傷部位が修復されると,形成された血栓は溶解し,局所の血流はもとに戻る.血小板,凝固因子,凝固制御因子,線溶因子,血管内皮細胞は複雑に関与し合い,恒常的に血液の流動性を保っている.
 しかし,凝固・線溶系の不均衡,炎症による内皮細胞傷害,動脈硬化による血流の乱れ,血液粘度の増加などが生じた場合には,病的な血栓を形成することがある.そして,血流が途絶えることによって起こる梗塞,流れを求めて発生する静脈瘤,線溶系に歯止めがかからずに生じる出血など,さまざまな二次的な病態を引き起こす結果となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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