icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻10号

2001年09月発行

文献概要

Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる

呼吸器(8) 粘表皮癌

著者: 堀内啓1 荒井政和1 松谷章司1

所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部

ページ範囲:P.1194 - P.1196

文献購入ページに移動
 臨床的特徴
 粘表皮癌は,肺門部の主気管支や葉気管支などの太い気道に発生し,粘液を分泌する腺細胞,扁平上皮細胞,およびそれらの中間的な性格の細胞(中間型細胞)からなる腫瘍である.頻度はまれで,原発性肺癌の0.1〜0.2%程度といわれている.若年者に好発し,約半数の症例では発症年齢が30歳以下である.太い気道の閉塞症状(咳,血痰,発熱)を示すことが多く,閉塞性肺炎を伴いやすいが,無症状のこともある.病理学的には,低悪性度と高悪性度の腫瘍に大別されるが,大部分は低悪性度の腫瘍で,全体の75〜80%を占める.低悪性度の粘表皮癌では,リンパ節や他臓器に転移することはまれで,完全に切除されれば予後は良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?