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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻11号

2001年10月発行

文献概要

絵で見る免疫学 基礎編・22

IgE抗体とアレルギー

著者: 高木淳1 玉井一2 隈寛二3

所属機関: 1ダイナボット(株)器機診断薬事業部 2栄光病院 3隈病院

ページ範囲:P.1264 - P.1265

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 免疫グロブリンは個体防衛において大切な働きをする.しかし本来ならば無害の物質(抗原,アレルゲン)である花粉や食物などに応答して産生されるIgEは,再度同じ抗原に暴露された時にアレルギーとして応答し,多くの人々を悩ませている.細菌の侵入に際し初期防衛に当たるのはマクロファージや好中球である.しかし,さらに大きい寄生虫に対しては好酸球がこれに当たる.
 すなわち,寄生虫の感作を受けてIgE抗体を産生した個体が再びアレルゲンに暴露されると,好酸球のFcε(IgEのFcと結合する)受容体を介してIgEは寄生虫体に結合して,分解酵素(リソソーム)を寄生虫に放出してこれを殺す(図1).IgEの本来の役割は,食細胞が貧食できない大きな寄生虫などに対抗する手段であるとの仮説がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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