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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻11号

2001年10月発行

文献概要

検査データを考える

高脂血症

著者: 芳野原1

所属機関: 1東邦大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.1283 - P.1290

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はじめに
 高脂血症とは,脂質(原則としてコレステロールとトリグリセライド,triglyceride;TG)の血中レベルが正常以上に高値を示す病態である.近年,わが国においては食生活の欧米化とモータリゼーションの発達により,高脂血症とともに,高血圧,糖尿病,痛風,肥満などに代表される生活習慣病が増加し,大きな社会問題となりつつある.いずれの病態もリスクファクターと呼ばれ心筋梗塞の発症率の上昇をもたらすこととなるが,疫学的に最も心筋梗塞の発症との因果関係が明らかなリスクファクターは血中コレステロール,特に低比重リポ蛋白(low density lipoprotein;LDL)-コレステロールである.また,最近では特にサイズの小さな,比重の大きい(small,dense)LDLの動脈硬化への関与が注目されており,保険診療上でもLDLサイズの簡単な推定方法が可能となっている.一方,高TG血症についても最近では冠動脈疾患のリスクファクターとして重要視されている.ここでは特に高コレステロール血症のみならず,高TG血症との関連が注目されているsmall,dense LDL,低HDL(high density lipoprotein,高比重リポ蛋白)血症,さらにRLP-コレステロール,さらにLp(a)などについてもふれてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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