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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻12号

2001年11月発行

文献概要

Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる

呼吸器(9) 肺硬化性血管腫

著者: 堀内啓1 荒井政和1 松谷章司1

所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部

ページ範囲:P.1364 - P.1366

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臨床的特徴
 肺硬化性血管腫は肺の良性腫瘍であり,その本態については,当初,血管内皮細胞の腫瘍性増殖と考えられ,硬化性血管腫と命名されたが,現在では,肺胞上皮への分化を示す上皮成分を主体とし,血管成分を種々の程度に含む腫瘍と考えられている.従って,硬化性血管腫という名称は不適切であるが,歴史的にこの病名が広く用いられてきたので,現在でも硬化性血管腫という名称が用いられることが多い.肺硬化性血管腫は80%以上が女性に発生し,年齢は40〜50歳代の中年に多い.好発部位は右下葉である.多くの場合,無症状で,胸部単純撮影で境界明瞭な円形あるいは楕円形の腫瘤影を偶然発見されることが多い.症状がある場合には,咳,胸痛,血痰,風邪様症状などが見られる.大部分は良性の経過をとるが,ごくまれに,肺門リンパ節転移を起こすことが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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