icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻13号

2001年12月発行

文献概要

技術講座 一般

尿沈渣中の異常細胞の見かた

著者: 一柳好江1 平光幹彦1 餌取文昌1 山田鉄也1

所属機関: 1岐阜市民病院中央検査部

ページ範囲:P.1441 - P.1447

文献購入ページに移動
新しい知見
 一般検査では尿検査のスクリーニングとして,短時間に的確な情報を提供することが求められている.そのためには採尿方法,尿の外観,投与薬剤,尿定性検査,生化学検査結果などを念頭に置き,尿沈渣の鏡検に臨むべきである.近年,どの分野においてもEBM(evidence based medicine)が盛んに謳われているが,尿沈渣検査においても同様であり,いろいろな情報を基に成分を同定することが大切である.異型細胞を検出することは悪性腫瘍の早期発見につながり,臨床的に大きな意義がある.しかし,炎症や結石症,ウイルス感染,放射線や薬剤治療などの物理的・化学的影響により,良性細胞が異型性を示すことがあるので注意する必要がある.異型細胞の良性・悪性を鑑別するには,核の大きさ,クロマチンの増量の有無,核形の不整,集塊状の出現などいくつかのポイントがあるが,尿中に出現する正常な細胞像を把握したうえで様々な角度から細胞を観察すること,さらに細胞診との連携も必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?