文献詳細
文献概要
臨床検査に必要な統計処理法・14
多項目検査データによる病態判別—多変量解析法[1] 判別分析の考えかた
著者: 細萱茂実1
所属機関: 1山梨医科大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.149 - P.154
文献購入ページに移動はじめに
一般に,鑑別診断は疾病の分類体系への同定のプロセスともいえる.例えば,検診の結果ある部位に腫瘍が見つかったとき,次の段階としてはそれが良性か悪性かの判別を行う.その際,同じ部位の腫瘍についての良性・悪性の診断が確定した多くの症例に関する検査成績などに基づき,新たな患者の対応するデータから,どちらに属するのかを推測するという過程がとられる.この例のように,複数の群についての既存の観測データを利用し,新たなデータがどの群に属するのかを,なるべく分類の誤りが小さくなるように判別することを目的とした手法を判別分析と呼び,観測特性が多項目データからなる場合,多変量解析法の代表的な一手法である.ここでは,判別分析の基本的な考えかたと適用例について,1変量と多変量のそれぞれを用いて2群を判別するケースを取り上げる.
一般に,鑑別診断は疾病の分類体系への同定のプロセスともいえる.例えば,検診の結果ある部位に腫瘍が見つかったとき,次の段階としてはそれが良性か悪性かの判別を行う.その際,同じ部位の腫瘍についての良性・悪性の診断が確定した多くの症例に関する検査成績などに基づき,新たな患者の対応するデータから,どちらに属するのかを推測するという過程がとられる.この例のように,複数の群についての既存の観測データを利用し,新たなデータがどの群に属するのかを,なるべく分類の誤りが小さくなるように判別することを目的とした手法を判別分析と呼び,観測特性が多項目データからなる場合,多変量解析法の代表的な一手法である.ここでは,判別分析の基本的な考えかたと適用例について,1変量と多変量のそれぞれを用いて2群を判別するケースを取り上げる.
掲載誌情報