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文献概要
病気のはなし
麻疹(はしか)
著者: 星野直1 黒木春郎1
所属機関: 1千葉大学医学部小児科
ページ範囲:P.220 - P.222
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麻疹ウイルスの感染力は既存の伝染病の中では最強とされている.感受性者であれば,小児に限らず成人でもほぼ100%の確率で感染し麻疹を発症する.急性期には白血球数,特にリンパ球数が著明に減少し,一過性に極度の免疫不全状態に陥る.その免疫不全状態は長期に及び,特に1歳以下の乳幼児,成人ではリンパ球数の正常化までに6週間以上を要し,Bリンパ球の減少はさらに長期化するとされている1).ワクチンの普及により患者数は減少したが,その根絶には至っておらず,乳児麻疹,second vaccine failureによる年長児,成人発症例の増加,修飾麻疹といった新たな問題も出現している.
麻疹ウイルスの感染力は既存の伝染病の中では最強とされている.感受性者であれば,小児に限らず成人でもほぼ100%の確率で感染し麻疹を発症する.急性期には白血球数,特にリンパ球数が著明に減少し,一過性に極度の免疫不全状態に陥る.その免疫不全状態は長期に及び,特に1歳以下の乳幼児,成人ではリンパ球数の正常化までに6週間以上を要し,Bリンパ球の減少はさらに長期化するとされている1).ワクチンの普及により患者数は減少したが,その根絶には至っておらず,乳児麻疹,second vaccine failureによる年長児,成人発症例の増加,修飾麻疹といった新たな問題も出現している.
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