文献詳細
技術講座 血液
文献概要
新しい知見
酵素染色の1つとして用いられているエステラーゼ(EST)染色は,単球系細胞を同定する方法として単一的な非特異的EST染色(α-NBE,α-NAE)が好んで用いられる.また,顆粒球系細胞の同定に用いられる特異的EST染色と組み合わせた二重染色がある.
細胞マーカーや免疫酵素抗体法の発達により,本染色を含む細胞化学染色法に新しい知見は見あたらない.しかし,特異的所見ならびに話題として,①二重染色の二重陽性所見は,白血病化による分化異常を意味するものであり,②急性骨髄単球性白血病(FAB;M4)において,病的現象としてときに非特異的EST染色に陰性の単球が存在(M4の10%)したり,③α-NAE染色をpH 5.8に傾けること(酸エステラーゼ染色)でTリンパ球(CD4+,ヘルパーT)の証明に有用となる,などは興味ある知見といえる.ただし,②については,外国文献による知見は見あたらず,手技的なものが絡む場合も考えられるので,今後の検討課題としては重要である。
酵素染色の1つとして用いられているエステラーゼ(EST)染色は,単球系細胞を同定する方法として単一的な非特異的EST染色(α-NBE,α-NAE)が好んで用いられる.また,顆粒球系細胞の同定に用いられる特異的EST染色と組み合わせた二重染色がある.
細胞マーカーや免疫酵素抗体法の発達により,本染色を含む細胞化学染色法に新しい知見は見あたらない.しかし,特異的所見ならびに話題として,①二重染色の二重陽性所見は,白血病化による分化異常を意味するものであり,②急性骨髄単球性白血病(FAB;M4)において,病的現象としてときに非特異的EST染色に陰性の単球が存在(M4の10%)したり,③α-NAE染色をpH 5.8に傾けること(酸エステラーゼ染色)でTリンパ球(CD4+,ヘルパーT)の証明に有用となる,などは興味ある知見といえる.ただし,②については,外国文献による知見は見あたらず,手技的なものが絡む場合も考えられるので,今後の検討課題としては重要である。
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