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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻3号

2001年03月発行

文献概要

トピックス

シトルリン血症とその遺伝子診断

著者: 小林圭子1 安田智嗣1 山口直喜1 佐伯武頼

所属機関: 1鹿児島大学医学部生化学第1講座

ページ範囲:P.302 - P.304

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はじめに
 尿素サイクルの律速酵素であるアルギニノコハク酸合成酵素(argininosuccinate synthetase;ASS)の異常は,シトルリン血症(citrullinemia)を引き起こす.Kobayashiらが1999年に論文発表した新規遺伝子SLC 25 Al3の発見1)は,筆者らのこれまでの提唱2)「シトルリン血症は異なる病因に基づき2病型に分類される」を確定的なものにした.その結果,シトルリン血症は,①ASS遺伝子自体の異常に起因する古典型シトルリン血症(CTLN1)と,②SLC 25 A13遺伝子の異常に基づき,肝臓特異的にASS蛋白質が低下する成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)とに明確に定義づけられ(表),いずれも遺伝子診断が可能となった.特にSLC 25 A13変異の遺伝子診断は,これまで酵素学的診断しかできなかったCTLN2において飛躍的な進展をもたらしている.
 本稿では,2病型のシトルリン血症を区別し,それぞれの遺伝子診断の現状と最近の知見を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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