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脳死判定における脳波検査とその心構え
著者: 福田篤久1 久保田芽里1 石田浩美1 小島義忠1
所属機関: 1大阪府立泉州救命救急センター検査室
ページ範囲:P.394 - P.396
文献購入ページに移動1997年10月「臓器の移植に関する法律」1)が施行され,厚生省は一定の基準をもとに,全国に臓器提供施設を設置した.筆者らの施設もその1つであるが,このような施設では,従来から行われてきた臨床的脳死診断のための脳波検査と臓器提供に伴う法的脳死判定のための脳波検査が存在する.ただし最近では,前者の臨床的脳死診断というのは臓器移植法による法的脳死判定を実施することを前提とした場合に用いられるようになり,その脳波検査は法的脳死判定時の脳波検査におおよそ準ずる施設が多い2).しかし本稿では,読者の対象を少しでも広げられるように通常の臨床診断の一環として行われ,主治医の立場で脳死状態を確認・把握するための判定,すなわち各施設の責任において施行される脳死判定(厚生省はこの脳死判定を,臨床的脳死診断や法的脳死判定と区別するために一般の脳死判定と定義している)3〜4)のための脳波検査を取り上げ,筆者らの経験とコンセプトを中心に,基本的な事柄も踏まえたうえで誌面の許す限りわかりやすく説明する.
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