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オピニオン
創意と目標を検査業務に
著者: 影岡武士1
所属機関: 1倉敷中央病院臨床検査科
ページ範囲:P.414 - P.414
文献購入ページに移動 私は縁あって,柴田進先生がその昔(昭和20年代)一時期在籍されていた倉敷中央病院臨床検査科・主任部長として2年前に赴任した.恩師の1人である柴田先生の言葉として強く心に残っているのは,“文献に溺れるな,自分のアイデアを大切にしなさい”である.偉大な教育者でもあった先生が歩まれた道は,臨床病理の発展の歴史でもあった.当時は,まさに日常検査業務の中に創意と工夫が遺憾なく発揮できる環境にあり,多士済済の先輩がたがユニークな発想による検査法を作り上げてきた.しかし,諸先生がたがこのオピニオン欄でも詳しく言及されているごとく,近年に至って病院検査部は,梶の取りかたしだいで,極端な表現をすれば自滅的な状況に向かう恐れがある.現在,最も気がかりな検査のアウトソーシングや診療報酬制度については,識者により縷々解説されているので改めて触れないが,やはり避けては通れない問題ではある.
われわれの検査部ても今回のさらなる検体検査の包括点数制度(いわゆる“まるめ”)により,検体検査収益は大幅な減収となり,検査判断料の配分方法はさておき,病院の一部門としての検査部にとって大きな痛手である.さりとて検査収益を維持する具体的な妙案は持ち合わせていないが,検査業務に従来の慣わしで漫然と取り組んでいたとすれば,まずその中に合理化できる部分を探し出し改善することが肝要てあろう.
われわれの検査部ても今回のさらなる検体検査の包括点数制度(いわゆる“まるめ”)により,検体検査収益は大幅な減収となり,検査判断料の配分方法はさておき,病院の一部門としての検査部にとって大きな痛手である.さりとて検査収益を維持する具体的な妙案は持ち合わせていないが,検査業務に従来の慣わしで漫然と取り組んでいたとすれば,まずその中に合理化できる部分を探し出し改善することが肝要てあろう.
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