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心筋梗塞のリスクファクターとしてのCRP値
著者: 榎本博光1
所属機関: 1栄研化学株式会社生物化学研究所
ページ範囲:P.496 - P.498
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C反応性蛋白(C-reactive protein;CRP)は感染,組織破壊,炎症などの際に血中濃度がダイナミックに上昇する代表的な急性相反応蛋白で,もっとも重要な検査項目の1つとして,日本やヨーロッパでは古くから広く普及している.一方,米国では,CRPが発見された後しばらくは盛んに検査されていたが,1970年代頃から“高価な赤沈検査”と位置づけられ,あまり検査されない傾向にあった.近年,測定技術の進歩により安価で迅速・正確な検査法が開発され,さらに赤沈がさまざまな因子により亢進することも明らかとなり,炎症性疾患の診断にはCRPがはるかに優れている点が有認識されるようになった.最近では,“C-reactive protein:New uses for an old friend”と題する論文1)も発表され,CRPの新しい臨床有用性,すなわち心筋梗塞や心血管疾患のリスクファクターに関する研究発表が米国の研究者らによって精力的に行われ,注目されているところである.さらに,米国FDAは1999年に,世界に先駆けて心血管疾患のリスクを評価できうる臨床検査としてCRPの高感度測定法(high-sesitivity CRP;hsCRP)を認可している2).
C反応性蛋白(C-reactive protein;CRP)は感染,組織破壊,炎症などの際に血中濃度がダイナミックに上昇する代表的な急性相反応蛋白で,もっとも重要な検査項目の1つとして,日本やヨーロッパでは古くから広く普及している.一方,米国では,CRPが発見された後しばらくは盛んに検査されていたが,1970年代頃から“高価な赤沈検査”と位置づけられ,あまり検査されない傾向にあった.近年,測定技術の進歩により安価で迅速・正確な検査法が開発され,さらに赤沈がさまざまな因子により亢進することも明らかとなり,炎症性疾患の診断にはCRPがはるかに優れている点が有認識されるようになった.最近では,“C-reactive protein:New uses for an old friend”と題する論文1)も発表され,CRPの新しい臨床有用性,すなわち心筋梗塞や心血管疾患のリスクファクターに関する研究発表が米国の研究者らによって精力的に行われ,注目されているところである.さらに,米国FDAは1999年に,世界に先駆けて心血管疾患のリスクを評価できうる臨床検査としてCRPの高感度測定法(high-sesitivity CRP;hsCRP)を認可している2).
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