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ヘマトキシリンの木(Haematoxylon campechianum L.まめ科)
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ページ範囲:P.643 - P.643
文献購入ページに移動 日本臨床細胞学会のシンボルマークはヘマトキシリンの葉であり,元獨協大學第一病理学教室教授の山田喬先生がデザインされたものである.ヘマトキシリンの木は西インド諸島,中央アメリカのメキシコ湾側に原産するマメ科で高さ7〜10mの常緑小喬木である.葉は3〜4対の小葉から成る羽状複葉で,葉腋には鋭い刺(とげ)がある.花は淡黄色,花弁は5筒でほぼ同形,倒卵形,腋生の穂状花序の上に出て,芳香を発する.原木の辺材は白色で,芯材は紅褐色または紫褐色を呈し,染料木材のうちで最も重要なものである.
この木の芯材をきざんで屋内に積み,水をかけて時々切り返しながら2〜4週間発酵させると,紫色を帯びた黒褐色となる.これを水で煮出して染料を抽出し,60℃以下で水分を蒸発させると,材の重量の約15%程度に当たる黒褐色のエキスが得られる.このエキスの成分がヘマトキシリン(Haemtoxylin,C16H14O6)で,最初にこの色素を組織染色に使ったのは,ワルダイヤー(Waldeyer,1863)であるとされている.
この木の芯材をきざんで屋内に積み,水をかけて時々切り返しながら2〜4週間発酵させると,紫色を帯びた黒褐色となる.これを水で煮出して染料を抽出し,60℃以下で水分を蒸発させると,材の重量の約15%程度に当たる黒褐色のエキスが得られる.このエキスの成分がヘマトキシリン(Haemtoxylin,C16H14O6)で,最初にこの色素を組織染色に使ったのは,ワルダイヤー(Waldeyer,1863)であるとされている.
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