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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻7号

2001年06月発行

文献概要

豆知識

染色液と公害

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所属機関:

ページ範囲:P.712 - P.712

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 病理検査室で用いられる溶液のなかには,有害とされるものが少なくない.ギル(Gill)のヘマトキシリンの塩化第二水銀をはじめ,各種染色に用いられる硝酸銀,劇薬として位置付けられるアンモニア,塩酸,硝酸など数え上げるときりがない.
 ホルマリン液でさえも浄化せずに下水へ流すと,目,鼻の粘膜を刺激する異臭騒ぎを引き起こしかねない.また,脱灰液中のギ酸や,硝酸などは,金属腐食性を有することから下水パイプを腐食する可能性がある.環境問題を配慮し,自施設で中和する(できる限り,水に近い状態に戻す)ための処理を行う病院・企業も増え,また回収業者に委託をするようになってきている.まずは,危険とされる試薬(液)の成分を的確に把握し,その廃液処理のマニュアルを作成するなどして,職員全員が,自覚することが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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