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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻7号

2001年06月発行

文献概要

増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス 6.組織内血液細胞の日常染色法

ペルオキシダーゼ反応

著者: 日野浦雄之 片岡寛章

所属機関:

ページ範囲:P.742 - P.744

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目的
 ペルオキシダーゼ(peroxidase)は過酸化物(過酸化水素など)の存在のもとに基質を酸化する酵素であり,骨髄系細胞のほとんどのものに存在するといわれている.なかでも好中球や好酸球などに多く含まれている.しかし,リンパ球系細胞や幼若赤血球には存在しないという点から,ペルオキシダーゼ反応(peroxidase reaction)はこれら両者の細胞鑑別に応用されてきた.したがって,各成熟段階にある顆粒球系の細胞が陽性所見を示すため,白血球ペルオキシダーゼ反応は白血病(特に骨髄性白血病)に際して,腫瘍細胞の鑑別に有益な酵素染色法として広く利用されている.
 本反応は従来,骨髄の塗抹標本に対して行われてきた.組織標本に対しては各種の免疫組織化学的染色法の普及により,現在ではあまり汎用されていない.したがって,組織標本(各臓器の凍結切片)においては,詳しい細胞形態の観察が困難であるため,陽性所見による顆粒球系細胞の多寡を識別するにとどまるのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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