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封入剤のいろいろ
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ページ範囲:P.789 - P.789
文献購入ページに移動 封入剤としては,通常,非親水性のものが用いられている.以前使用されていたカナダバルサム,ビオライトは弱酸性のため,染色標本の退色を招くことがあった.現在多くの種類(マリノール,エンテランなど)がある.これら封入剤の屈折率は,1.52〜1.57とほぼ一様だが,利用する側にとって,その粘度が重要である.組織標本は,薄い切片であることから,薄く,また,細胞診標本においては,薄いものから厚みのある標本まであることから,厚くどちらにも耐え得るものが理想的である.最近では,ある程度の厚みのある標本に使用でき,硬化速度も速いものができている.
一方,水溶性の封入剤は,その使用頻度が低いこともあり,グリセリンをリン酸緩衝液で薄めて,使用の都度作製するために,常に濃度を一定にできにくいことや,硬化しやすいため,保存に注意が必要である.市販されているものは,長期の保存が可能で,原液でも十分その用途をなし,蛍光抗体法や,脂肪染色における写真撮影の際にも,問題とならない利点がある.
一方,水溶性の封入剤は,その使用頻度が低いこともあり,グリセリンをリン酸緩衝液で薄めて,使用の都度作製するために,常に濃度を一定にできにくいことや,硬化しやすいため,保存に注意が必要である.市販されているものは,長期の保存が可能で,原液でも十分その用途をなし,蛍光抗体法や,脂肪染色における写真撮影の際にも,問題とならない利点がある.
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