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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻7号

2001年06月発行

増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス

10.核酸の日常染色法

メチル緑・ピロニン染色

著者: 岩原実

ページ範囲:P.836 - P.839

文献概要

目的
 核酸にはデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)があり,蛋白質と同様に生命にとって必須の物質である.この2つの核酸は,ともにリン酸・ペントース・窒素塩基が結合したヌクレオチドの線状重合体である.この核酸を切片上で証明したり鑑別する方法としては,メチル緑・ピロニン染色〔methylgreen-pyronine stain(ウンナ・パッペンハイム法;Unna-Pappenheim method)〕が一般的に行われている.
 その原理の詳細は明らかではないが,核酸に含まれるリン酸基が好塩基性であることに由来し,塩基性色素であるメチルグリーンとピロニンの混合液で各々の核酸の重合度,すなわち分子の大きさで染め分けていると考えられている.つまり,DNAは高度に重合して巨大分子となっているためメチルグリーンに染色性を示し,RNAは低分子の重合状態にあるためピロニンで染色される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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