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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻7号

2001年06月発行

文献概要

増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス 13.金属・無機物の日常染色法 d)鉛の染色法

キレート法(ロジゾン酸法,ジチゾン法,Br-PADAP法)

著者: 鷲見和

所属機関:

ページ範囲:P.886 - P.888

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目的
 鉛を含むガソリンや塗料がわれわれのまわりから姿を消して以来,鉛の環境汚染や鉛中毒の問題はほとんど耳にすることがなかった.しかし,鉛中毒によく似た症状が最近見いだされ,調査の結果,中国でつくられた漢方製剤に高濃度の鉛,水銀,ヒ素などが検出されたと一部の新聞に報じられた.
 無機鉛はヒトの呼吸器や消化管から吸収され,血液中から肝,腎,筋肉などの軟部組織に取り込まれ,さらに安定蓄積部位としての骨組織に沈着する.軟部組織のうち,大動脈,肝,腎に高濃度の蓄積が見られる.一般に鉛の排泄は遅く,ヒトの生物学的半減期は約10年といわれている.鉛による健康障害は,貧血,末梢神経炎,尿細管障害などが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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