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細胞質染色
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ページ範囲:P.924 - P.924
文献購入ページに移動 種々の酸性色素の使用により多染性(polychrome)の効果が得られるのがパパニコロウ(Papanicolaou)染色の特長である.性質の異なる細胞質にどの酸性色素が結合するかは,その色素分子の大きさと細胞質の構造の“疎密”が大きく関与していると考えられている.すなわちアザン染色と同じ染色原理と考えられる.
細胞質を染色する酸性色素の分子の大きさは,の順になる.この3種の酸性色素の中で,最も分子の小さなオレンジGが構築の密で,密度の高い物質(角質,ヒアリン物質,他)に結合しやすい.そして構築の疎の部分には大小いずれの色素も入り込んで結合するが,一般的に小分子の色素ほど分子運動が活発で,細胞質との間に安定したイオン結合が起こりにくい.一番大きな分子のライトグリーンイエローは構築の疎な部分に入り込むと,移動性が小さいので強く結合することになると考えられる.分子の大きさが中間に位置するエオシンYは染色過程で中間の挙動を示すと予想される.
細胞質を染色する酸性色素の分子の大きさは,の順になる.この3種の酸性色素の中で,最も分子の小さなオレンジGが構築の密で,密度の高い物質(角質,ヒアリン物質,他)に結合しやすい.そして構築の疎の部分には大小いずれの色素も入り込んで結合するが,一般的に小分子の色素ほど分子運動が活発で,細胞質との間に安定したイオン結合が起こりにくい.一番大きな分子のライトグリーンイエローは構築の疎な部分に入り込むと,移動性が小さいので強く結合することになると考えられる.分子の大きさが中間に位置するエオシンYは染色過程で中間の挙動を示すと予想される.
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