icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻9号

2001年08月発行

文献概要

病気のはなし

劇症肝炎

著者: 井上和明1 山田雅哉1 与芝真1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科

ページ範囲:P.1048 - P.1052

文献購入ページに移動
新しい知見
 劇症肝炎の予後は原因により大きく異なることより,その原因診断には迅速性が求められる.抗原,抗体を用いた原因ウイルス診断は,抗原による診断はウイルス量の少ない場合は役に立たず,抗体による診断は抗体が急性期に出現しない場合は役に立たない.近年迅速診断法として,realtime detection PCR(RTD-PCR)が普及しつつある.この方法の原理は次のとおりである.1組のプライマーの間に,両端を別々の色素で標識されているプローブを設定すると,両者の距離が近い場合はエネルギーを打ち消し合って発光しないが,PCRを行うことによりTaqの5′エクソヌクレアーゼ(exonuclease)活性により色素が遊離されるとエネルギーの打ち消し合いが解消されて発光する.発光の立ち上がりのサイクル数を解析することによりDNAおよびRNAの定量を短時間で施行することも可能になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?