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文献詳細

雑誌文献

検査と技術29巻9号

2001年08月発行

文献概要

トピックス

シスタチンC(GFRマーカー)

著者: 下条文武1 風間順一郎2

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科内部環境医学講座 2新潟大学大学院医歯学総合研究科

ページ範囲:P.1119 - P.1121

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はじめに
 糸球体濾過値(glomerular filtration rate;GFR)は腎機能を知るうえで最も重要な指標である.一般に,GFRの低下に伴って血清のクレアチニン値が上昇することはよく知られているが,いくつかの問題がある.まず,クレアチニンの定量がヤッヘ(Jaffé)法で行われているところも多いが,酵素法に比べてその精度が劣るという測定上の問題点がある.また,体内のクレアチニンは筋細胞より産生されるため,筋肉量の少ない老人や糖尿病の患者では腎機能低下の程度に比較して血清クレアチニン濃度が低値をとる.したがって,血清クレアチニン値からGFRを評価するには注意を要する.さらに,血清クレアチニン値がGFRを反映しない範囲が大きいことである.この範囲は,クレアチニン盲目領域(creatinine blind range)とも言われている.
 以上のように,血清クレアチニン値からGFRを推測するには多くの問題がある.これに対して,最近血清シスタチンC値は新しいGFRマーカーになることが注目されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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