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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻10号

1975年10月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

セルブロック(cell block)法

著者: 福島範子1 朝隈蓉子1

所属機関: 1同愛記念病院・病理

ページ範囲:P.49 - P.54

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細胞診の材料をセルブロック法にする目的は,第1に重積する大きい細胞集団を見ることにある.これらは積極的に細胞を剥離する穿刺,洗浄,擦過,パンチなどに多いが,塗抹では重積しすぎて見にくい.これを連続切片にすると集団を構成する個々の細胞,立体的配列,間質との関係,核分裂の頻度などを確かめられる.大きい集団が新鮮な剥離細胞から成り,表面へ剥離してゆく細胞像の変化から,塗抹で見やすいバラバラの細胞は自然剥離細胞を多く混じえることが分かるが,この細胞像の違いは細胞診断上重要である.これらの所見から細胞診と組織診の関連を得るのが第2の目的である.第3に細胞診材料は保存できないので,予期しない所見や特殊染色などの追加検索に不便であるが,セルブロック法はこれができる.第4に塗抹は個々の微細な細胞像に,セルブロックは大きい集団の観察に優れるので相互に弱点を補い,併用により診断率を向上させうる.しかしセルブロック法は細胞数が少ない時と小細胞癌には適さない.
 以上の特徴を選択し塗抹とともにセルブロック法も試みられるよう希望しながら,標本作製法を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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