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文献詳細

雑誌文献

検査と技術3巻11号

1975年11月発行

文献概要

トピックス

FDP

著者: 浮田実1

所属機関: 1東京医大臨床病理

ページ範囲:P.48 - P.48

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 FDP(fibrin degradation products;フィブリン体分解産物)はフィブリン,またはフィブリノゲンが血液中のタンパク分解酵素,特にプラスミンによって分解されて生ずる分解産物の総称で,1957年にStormorkenによって最初に報告された.近年Mckeeらはヒトフィブリノゲン(分子量343,000)に純化ヒトプラスミンを作用させると,まずα鎖よりペプチドを分離してX1分画を生成し,次いでβ鎖よりペプチドを分離してX2分画を生成する,かくのごとくフィブリノゲンはプラスミンにより順次分解されX3,X4,及びY分画を生成し,ついに分解終産物D分画(分子量83,000),及びE分画(分子量41,000)を生成することを示した.
 FDPは血管内凝固症候群の患者血液中に存在することが認められてから,にわかに注目を集めるようになった.FDPの各分画はそれぞれ止血機構を妨げるごとくに作用する.すなわち分解初期のX及びY分画は抗トロンビン作用(抗トロンビンⅥ),及びフィブリノゲンの重合阻止作用を示す.この作用はY分画で著しく,フィブリノゲン由来のものはフィブリン由来のものより強い.しかしトロンビンの第Ⅷ因子活性化作用は阻止しない.またFDPはトロンボプラスチンの生成を抑制し,Y分画は血小板の凝集能,あるいは粘着能を阻止する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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